不抜の剣

『不抜の剣』を読み感動しています。
幕末三大道場の一つ 練兵館創設者 斉藤弥九郎の生涯が描かれています。
≪武は戈(ほこ)を止める義なり≫を信条として剣豪でありながら生涯一度も真剣を抜かなかった人でした。
文武両道の精神で愛弟子桂小五郎をはじめ多くの維新回天の逸材を育て、桂に開明の世を託しました。夫婦愛、家族愛、涙も描かれています。
激動の時代を静かに、強力に、影で支え続けた真のサムライの姿がありました。
植松三十里著。

神道無念流の心得を話す弥九郎と徳川斉昭の会話

「西洋砲術のボンベン弾は、一発で大勢の敵を殺せます。でも私達が西洋砲術を身につけるのは、何も敵を殺す為ではない。
武とは戈を止めるものです。武力を持っていることで、初めて対等な立場を得て、話し合いで戦いを止めることが出来るのです。」

斉昭は何度もうなずき
「そなたの申すような理屈を、誰でもが承知した上で、備えに向かわねばならぬな。ただ闇雲に大砲を撃つのではなく、やはり理を知ることが大前提だ。だからこその文武両道だな。」
「仰せの通りでございます」
「理とともに大事なのは心だ。そうでなければ、あまりに危うい。ただ引き金を引くだけで尊い命を奪う安直さに馴れてしまったら、人としても国としても終わりだろう」
弥九郎はなるほどと思った。剣術の精神性を砲術にも活かすことが大事だった。
「たがいに得るものがあって、何よりだった」
斉昭は満足そうに席を立った。
「まさに名君だな」

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