第二章 学校生活 4. 講演会と嵐

第二章 学校生活
4. 講演会と嵐
秋川高校では、よく講演会が開かれた。全校生徒職員で拝聴した。
場所は食堂であった。ここが当時一番広いところであった。
講師の方で覚えているのは、曾野綾子さん、臼井吉見さんであった。
臼井吉見さんの講演会の時事件は起きた。
順調に自由と規律の講演内容を拝聴していたが、雲行きが怪しくなってきた。
私たちはその日久しぶりにベット用のマットレスを屋上に干していた。
干す作業は全員で協力して行った。
朝のうちはよく晴れていたのだ。
7月の初旬であっただろうか、食堂から見える空に見る見るうちに黒雲が立ち込めてきて、にわか雨でも降りそうな雰囲気になった。
段々と講演の内容はそっちのけとなり、雨の心配を皆しだした。
もし雨になったら今夜マットレス無し(レス)で寝なくてはならないと想像するものは多くいた。
先生の様子も落ち着きがなくなってきた。
講演の途中だったが、あるタイミングでわれわれは一斉に食堂を飛び出した。
全員が一斉に寮棟に向かって走り出した。
屋上に駆け上がり、マットレスを担いでおろし始めた。
誰のものとかと言うよりも誰のものも濡らしたくない思いであった。
その時美術の北条先生が、「階段に並べ。手渡しだー。」と叫んだ。
われわれは呼応して、階段にだれかれかまわず並んだ。順に並んで各部屋にマットレスを8枚ずつ手渡しし放り投げると下の階に移動して同じように各部屋へ入れた。
見る見るうちに屋上のマットレスはなくなった。その時土砂降りの雨が降ってきた。
間一髪間に合ったのだ。
しばらくしてわれわれは食堂棟に戻った。講師の先生に申し訳なさそうにだ。しかし、皆笑顔だった。やりきった想いだった。
臼井先生は、感激していた。
こういう行動が取れる君たちは素晴らしいと言ってくれた。
講演会を雨で中断されたことより、我々の行動に感動されたのだ。
講演のテーマであった「自由と規律」まさにこういうことです。と結ばれた。
記憶に残っている講演会であった。

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